成功、失敗する地域おこし協力隊と役所①

平成21年から地域おこし協力隊制度が始まり7年経ちました。
制度を利用し成功する役所と残念な結果になる役所それぞれあります。

隊員経験者の目線から、なぜ成功するのか?
なぜ失敗するのか理由を書きたいと思います。

隊員の失敗例をひも解くと、隊員を採用した役所に問題があるように思えます。
これがあるから失敗したんだな・・・という理由を5つ述べます。

1.隊員募集時の募集内容が明確ではない。

担当職員から「地域に入り、そこで課題を見つけ、課題解決のための活動をして下さい」と言われます。別名「まる投げ」と言いますが、これで地域課題解決できる隊員はとても優秀です。役所が問題解決出来ない課題をよそ者の若者が解決できれば、地域の問題なんて始めからありません。それより、始めから役所が課題を提示し、専門分野に特化した隊員を募集した方が隊員にとっても役所にとっても地域住民にとってもメリットがあります。担当職員が、地域の課題についてどれほど知っているのか?地域の課題解決のためには何が必要なのか?それを職員が把握していないと失敗します

2.活動目的と活動計画がない。

担当職員は1年で変わってしまうかもしれませんが、隊員の地域づくりは1年で完結できる仕事ではありません。何の為に活動するのか活動目標を立て、概ね2〜3年を目安に活動計画を立てます。地域と隊員の将来を考えないと失敗します。

3.制度設計を考えず、とりあえず隊員を嘱託職員にしてしまう。

地域おこし協力隊は社会保険に介入させている役所と加入させてない役所に分けられます。
社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)に介入する際は嘱託職員(臨時職員)として採用する場合が多く、社会保険に加入しない場合は役所と雇用関係がありません。それぞれメリットがありますが、嘱託職員(臨時職員)になると役所の職員扱いなので、自由に行動できなくなると聞きます。

例として、朝礼と終礼は必ず出席することや、基本的に役所勤務になります。この条件で担当職員からの要請が「地域に入り、そこで課題を見つけ、課題解決のための活動をして下さい」という仕事ではどうでしょうか。

恐らく自由に動くことができず、地域を知る機会も少なくなります。
担当職員も、今まで扱ってきた嘱託職員(臨時職員)と同じように隊員を扱うので、自由に動けなくなります。

始めから取り組むべき課題が決まっており、曜日ごとに仕事が決まっていれば問題ありません。
制度のおかげで隊員は自由に動けず、地域は解題解決(発見)されず、職員は成果を上げれず失敗します。

4.サポート(根回し)なし。

そもそも協力隊を地域が望んでおらず、地域と調整がつかずに地域に放り込まれるケースがあります。…始めから最悪ですね。また、隊員は活動当初、観光協会や商工会、体育協会、自治会との繋がりがありません。隊員と各組織の間に役所が入り、始めだけ根回しを行い繋がりを作ればスムーズにスタートします。全て隊員任せの役所は失敗する可能性が高まります。

5.行政職員削減の受け皿

「何とかセンター」の窓口に採用され受付だけを行う隊員や「何とか係」として事務処理だけ行う隊員がいます。本人が望んでいるならともかく、行政職員削減の受け皿として、臨時職員扱いを行う役所は隊員の能力を活かしきれてないと感じます。そもそもそれでは現状変わらないので、ゆっくりと失敗します。

 

・・・と、失敗ばかりネガティブな文章になってしまいました。
失敗例だけ記載しても地域振興に繋がらないので、次回は成功例を紹介します。

ABOUTこの記事をかいた人

浜松市天竜区在住。民間企業で工業デザイン、青年海外協力隊村落開発普及員としてフィリピン共和国レイテ島町役場勤務、帰国後地域おこし協力隊として浜松市天竜区の地域づくり。現在は都市部から移住者を斡旋する移住コーディネーターとして活躍。