窓際【林業の過去と未来】

つちだ
窓際【林業の過去と未来】
移住希望者からの就職相談として、農業や林業といった一次産業の就業相談を受けます。一次産業に新しいイノベーションを起こさせるには、新しい人材を入れる事だと考えています。

現在の林業

浜松市天竜区の面積のうち、約9割は杉と檜で構成される人工林となっています。残りの1割は広葉樹であり、杉や檜が植えられなかった岩場に生えています。
集落のご年配者とお話すると、約40〜50年前の林業向上期のお話をよく聞き、羽振りの良かった時代を懐かしく語るご年配者が多いと感じます。

林業は外国材の輸入自由化により国内需要率が大幅に減り始め、住宅建築における施工方法では、柱や梁が見えにくい建築様式が主流と重なり、林業に大きな影響を与えました。

それに伴い、林業で栄えた中山間地域の商店街も衰退し、人口減少が始まり、少子高齢化・空き家の増加問題も発生。中学校・小学校の統廃合も始まり、里山を下りて街中で暮らし始める子育て世代が増え始めました。

中山間地域の集落は林業によって栄え、林業によって衰退したと言っても過言ではありません。

問題

しかし収益が上りにくくなった林業を辞めることは出来ません。間伐という間引きを行う作業が疎かになり、手入れが進まなくなった山は治水能力が下り、土砂崩れが起きやすくなります。

木材は建築分野ベースで考えられていましたが、建築材料以外に使用方法を見出し、木材に対する付加価値を向上させなければなりません。
そのため、木材の新しい使用方法が求められる時代となりました。

バイオマス発電による木材の使用は他県他市の一部の地域で行われていますが、「燃やすために何十年もかけて木を育てるのか?」など厳しい意見も耳にします。
杉や檜は日本固有の木材であり、神社や寺院など私達の生活と共に関わりを持ってきた木材です。

もう一度、中山間地域の山と私達の生活を考え、山の杉や檜を今後どうすれば良いのか?ご年配者から若者まで皆で考える事が大切です。

未来

近年、林業を希望される移住希望者が増え、山と共に生きる生活が注目されています。
自然環境の厳しい職場ですが、それでも移住し、林業を志す方が多いという事は、山に住み慣れている人には気が付きにくい魅力があるはずです。
綺麗な山、水、空気は山に住んでいる人にとって身近なものであり、何年も暮らせば当たり前の物となってしまいます。

移住者が農林業の一次産業に携わる事により、新しいイノベーションが生まれ、課題の解決に繋がるのではないかと思います。
広い視野と新しい視点、または他分野との組み合わせにより、新しい林業の道が開かれるのではないかと期待しています。

ABOUTこの記事をかいた人

民間企業で工業デザインを行なったのち、青年海外協力隊村落開発普及員としてフィリピン共和国レイテ島町役場で街づくりを行なう。 帰国後、地域おこし協力隊として浜松市天竜区で活動。都市部から移住者を斡旋する移住コーディネーターとしても天竜区で活動した。