元隊員が語る地域おこし協力隊の良いところ、悪いところ

全国で地域おこし協力隊が流行ってますね。コロナの影響もあり、都市部で仕事するより地方で仕事を求める方が増えたと思います。地方移住のキッカケの1つとして地域おこし協力隊があると思います。

実は土田も地域おこし協力隊の隊員でした。2年半ほど隊員として活動し、多くの隊員と会い、多くの隊員を見て来ました。今は静岡県から地域おこし協力隊のアドバイザーも拝命してますので、応募の前に良い事・悪い事を参考にしてもらえれば幸いです。

地域おこし協力隊の良い点

ズバリ!地域おこし協力隊の良い点は下記の3つです。

(1)田舎でも月20万ちょっとの給料がある。(市町村によって給料は異なる)

(2)受け入れ自治体が住宅費を負担してくれる。(市町村によって異なる)

(3)行政職員の肩書き ※地域住民目線の場合

まず(1)「田舎でも月20万ちょっとの給料がある」ですが、月額15万円〜25万円と幅広い給料です。希望する移住先や活動先に仕事がなければ魅力的だと思いますが、ここで注意したい事は役所の非常勤職員扱いとして採用されるか、それもと個人事業として採用されるかの違いです。

非常勤職員では各種保険が完備されている行政機関もあります。雇用保険や健康保険、有給休暇も完備されている自治体も存在します。非常勤職員扱いであれば、公用車を運転できる自治体もあります。ただし基本給からこれら保険を差し引いた額が手取りとなります。これも良し悪しがあるため後ほど記載します。

次に(2)「受け入れ自治体が住宅費を負担してくれる」ですが、殆どの自治体が住居を提供してくれます。住居も良し悪しがあるため、先輩隊員がどのような住宅に住んでいるのか予め調べてる事が大切です。ポイントとしては役所に頼らず知人・友人経由で地域おこし協力隊がどこで活動し、どこで暮らしているか調べる事です。

役所に聞く事も可能ですが、親切に教えてくれる役所もあれば個人情報保護の観点から教えてくれない役所もあります。先輩隊員の活動を確認することも大切なので、知人・友人経由で先輩隊員とお会いし聞いてみる事が良いですね。

最後に(3)「行政職員の肩書き」のですが、試験を受けて採用された隊員は行政試験をに合格して採用された役所の正職員ではありませんが、殆どの住民は「役所の方」「役所の関係者」だと思っています。なので「どこの馬の骨か分からない人」ではなく、少なくとも「役所が認めた人」という認識をもっています。

田舎で地域づくりを他所の若者が行えば不思議そうに見られますが、隊員の肩書きを使えば地域づくりや自分のビジネスを行いやすくなります。

地域おこし協力隊の悪い点

何となく分かると思いますが、私の経験上100人に1人くらい地域おこし協力隊や企画事業に”積極的でない”役所職員も存在します。ポイントで3つにまとめました。

(1)積極的でない職員が担当者になると最悪

(2)副業禁止の自治体もある

(3)キャリアとして世間からまだまだ認められない

はじめに記載した(1)積極的でない職員が担当者になると最悪ですが、役所の職員は平均すると3年に1度職場が代わります。図書館事務だった職員がまちづくり振興の仕事を担当する事もあります。大きな組織になれば引き継ぎがしっかりと行われていない職場もあります。

つまり、地域おこし協力隊は主に企画事業ですが、企画が苦手な職員が担当者になると行動は慎重になり最悪です。地元の方に迷惑をかける事業はなできないですからね。残念ながら担当者は変えられません。

その場合、所属の自治会長や地元の商工会・観光協会を見方につけてください。その地域に長く住み、商店を行っている自治会長や商店街会長、商工会会長などオススメです。

次に(2)副業禁止の自治体もあるですが、各保険が適用される非常勤職員として採用された場合、副業が禁止されている自治体が多いと思います。大切な事は隊員期間中だけ各種保険の適用を受けて活動するのでなく、隊員活動が終わった将来に向けて始めから活動する事です。

そのために隊員活動をしつつ副業も行い、活動地域でどのようなビジネスを行えば良いか計画実行する期間であると思います。つまり副業禁止の自治体であれば計画実行する事ができないため、オススメは必ず副業OKな自治体を選択する事です。

最後に(3)キャリアとして世間からまだまだ認められないですが、協力隊活動がその後のキャリアにまだまだ結びついていません。青年海外協力隊は隊員活動がキャリアとして認められ、国際連合や各NGO機関で働く場合、プラスになりますが地域おこし協力隊は人生に空いた時間と思われてしまいます。

私はそうとは思わないのですが、世間の風は微妙です。そのためにも、活動中の期間は地域で今後も活動を続けるための下準備期間として捉え、準備のための活動として割り切っても良いと思います。ただしこれは任地でその後も住み続け定住する場合です。

田舎の文化を知ろう

こちらのページを読んでいる方は田舎暮らしに興味を持つ方だと思います。田舎の文化や暮らし方を知らないと「田舎ってクソだなー。だからみんな都会に行くんだよ!」と捨てセリフを吐いて引越しする方が多いと思います。

田舎のWi-Fiスピードは遅いですが、悪い噂は光回線より早く伝わります。あなたがどこで何をしたのか多くの方が見ています。悪い事はできませんね(笑)活動を見てない雰囲気でも、地域の方はあなたの活動を知っています。そのつもりで活動した方が良いかもしれません。

こんな方はやめた方がいいかも

ときどき自分探しの地域おこし協力隊隊員がいます。私は隊員に責任はなく採用した役所が良くないと思うのですが、将来の目的や目標なしでの活動は長続きしません。将来自分が何をやりたいか明確になっていなければ応募する価値はあると思います。

まとめ

・副業OKの行政機関を選ぶ。

・役所に相談、応募する前に先輩隊員と会う。

・やる気がない職員も時々いる事を自覚しておく。

・活動期間だけなく、活動終了後も視野に入れて活動しておく。

下記の本が田舎で活動する際に参考になります。

地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門
つちだ
次回は活動方法について紹介します。活動がうまくいかない、何の活動をすれば良いか分からない方など参考にしてください。

ABOUTこの記事をかいた人

元青年海外協力隊フィリピン派遣。帰国後地域おこし協力隊。デザイン事務所、ビジネス相談、お祭支援クラウドの開発もやってます。地域おこし協力隊のマネージャー&アドバイザーも。