【コラム6】輝く地域が人を呼び込む

大変お忙しい中執筆していただく

明治大学教授小田切徳美先生との出会いは、私が地域おこし協力隊として活動していた2015年のことです。当時天竜区熊地区に住んで居いた私は「くんまの明日を語る会」の事務局を行なっておりました。くんまの明日を語る会では、熊地区の人口減少が課題となっており、どのように他地域から人を呼び込むかが鍵となっておりました。語る会では「熊で暮らす」というパンフレットを作成し移住者のコメントや移住相談までの流れを記載しました。
 その中で大変お忙しい中明治大学の小田切先生に僭越ながら無理を言い、熊地区に対するコメントを執筆して頂きました。これは大変ありがたいことでありくんまの明日を語る会メンバーも大変喜びました。現在パンフレットなり先生の言葉を掲載しておりますが、大変素晴らしい文章であるためHPにも記載します。

「輝く地域」が人を呼び込む

小田切 先生
 熊地区を歩いて、直ちに気が付くことは、そこで活動する皆さんが、実に活き活きとされていることです。「くんま水車の里」を運営するお母さんたち、特産の茶栽培で高い技術を誇るお父さんたち、そしてその地域を支援する若い「地域おこし協力隊」やそれと連携する浜松市内の大学生の皆さん。こうした人々にお会いしている瞬間は、ここが過疎地であることを忘れてしまう感覚さえあります。

もちろん、地域には、小学校をどのように維持するか、高齢者の移動手段をどう安定的に確保するかなど、やはり全国の中山間地域と共通する課題も存在します。しかし、熊地区の皆さんは、それらに対しても、「負けてたまるか」と立ち上がり、時間をかけ、話し合い、そして前進する姿を見せています。

このように地域づくりで頑張る地域には、ある共通項があります。それは、こうした地域に、特産品を取り寄せる人、頻繁に訪問する人、そして最終的には移住する人など、いろいろな形で関わろうとする沢山の都市の人々、特に若者が見られることです。おそらく、輝く地域や人が、若者を惹きつけているのでしょう。そして、逆に、関わる若者が「ヨソモノ」の視点から、地域の活動をもう一段高いものに導いています。

つまり、「地域が磨かれるから田園回帰が生まれ、田園回帰があるから地域がいっそう磨かれる」という好循環が生まれています。「地域磨きと田園回帰の相互作用」と言っていいかもしれません。熊地区は、その全国の代表格に他なりません。
いきなり移住である必要はありません。まずは、この磨かれ、輝く熊地区を、じっくりと覗いて下さい。きっと、多くの皆さんが、全国でトップクラスのこの「相互作用」を体験できるのではないでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

元青年海外協力隊フィリピン派遣。帰国後地域おこし協力隊。デザイン事務所、ビジネス相談、お祭支援クラウドの開発もやってます。地域おこし協力隊のマネージャー&アドバイザーも。