【コラム7】遠くから見えてくるもの

遠くから見えてくるもの

12月6日(水)〜9日(土)まで休みを頂き、上海へ行きました。デザインの打ち合わせと観光が目的ですが、遠くから日本を見ることで、違った視点や考え方を持つことも目的の1つです。

大学生の頃、私はバックパックで中国を巡りました。2006年のことですが、当時の上海タワー近辺は空き地が多く、発展途上のイメージが強く、自転車やタクシーが多い国だったと記憶しています。ビザを取得し、数週間の旅でしたが、帰国後日本がどれほど優れた国なのか確認できました。2度目は2010年であり、上海万博が開催され各国のパビリオンを見て回りました。万博がメインであったため、上海や中国国内は巡りませんでしたが、空気汚染の酷いイメージを記憶しています。

そして今回が3回目となり、大きく経済成長した上海を確認できました。私が住む静岡県の面積は7,777km2であり、上海は6,340km2ですが、静岡県の人口が約375万人に対し、上海は約2400万人です。人口の増加率は年6%以上あるため、私が住んでおります浜松市天竜区とは大違いです。常にマンションが建てられ、常に新しい物が作られ消費される。エネルギーの違いを感じつつ、完全に日本を抜いた中国に対し脅威を感じました。

技術の進歩と都市機能

外国へ出かけた際に多くの方はタクシーを使いますが、上海では手を上げタクシーを捕まえる人は1人も見かけませんでした。殆どの方はタクシー配車アプリを使っており、自分の近くを走る評価の高いタクシーを選びます。行き先も料金も決まっているため、外国人でもタクシー内で会話をする必要はありません。支払いは電子マネーで行なうため手間や心配がなく、とても便利でした。個人の車でもタクシー業界のタクシーでも配車アプリに登録しており気軽に利用できます。

天竜区の中山間地域では、バスの運行本数が少なくなり、車の運転ができなくなる高齢者が増えており、買物問題や通院問題が話題となりますが、このアプリを誰でも気軽に使えるならば、問題は発生しないと思いました。

しかし、日本国内では多くの団体への配慮や規制を考慮しなければならず難しいでしょう。躊躇している間に、他国がITによる仕組みを外から作り、日本だけ置き去りにされる危機感を感じました。

また、現金を持ち歩く人が少なくなったことに驚きました。全て電子マネー決済で対応でき、小さな露天でも電子マネー決済に対応しています。現金を使う人は外国人くらいでしょう。殆どの中国人はスマホで電子マネー決済を行なっておりました。中国国内では偽札が多く出回り、現金の信頼性が低下し、大量の現金を持ち歩くことは、紛失、盗まれる危険が伴います。この難点を中国では電子マネーが解決したのでしょう。

都市の良さ、田舎の良さ

浜松市天竜区は、いつまでも変わらない里山の風景、文化・伝統が残っています。時間がゆっくり流れ、経済発展とは遠い世界です。私は東京や外国に住みましたが、人生を考えたとき、都会か田舎、どちらが良いのかトータル的には分かりません。人それぞれだと思いますが、私の個人的な意見を述べれば、仕事は東京や外国、子育ては田舎が良いと思います。

1つの国に違った街があり、それぞれ異なる特色がある。独自の発展をするからこそ、文化が生まれ伝統が続くのではないかと思います。いつまでも変わらぬ天竜区で続けていきたいですね。

ABOUTこの記事をかいた人

元青年海外協力隊フィリピン派遣。帰国後地域おこし協力隊。デザイン事務所、ビジネス相談、お祭支援クラウドの開発もやってます。地域おこし協力隊のマネージャー&アドバイザーも。